ERP とは何か
ERP システムとは何か
Gartner 社によれば、エンタープライズ リソース プランニング (ERP) システムとは、ファイナンシャル マネジメント (財務管理)、調達、人財管理 (HCM) などのビジネス アプリケーションを 1 つに統合したものであるとされています。ERP の詳細と、その一歩先を行く Workday のソリューションをご紹介します。
ERP の推進
ERP システムの特徴は製品ごとに異なります。ERP システムの選択基準と、Workday エンタープライズ マネジメント クラウドが他の一歩先を行く製品である理由をご確認ください。
ERP の選択
ERP システムの選択基準とは
今日のテクノロジー環境には、驚くほど多くの選択肢があふれています。
クラウド ERP システムの多くは、今もなお従来のテクノロジーおよびアーキテクチャを単にクラウドに移行しただけの基盤で稼働しています。その結果、保存データのサイロ化やポイント ソリューションの分散に陥り、財務部門と経理責任者が優れた効率性、アジリティ、インサイトを獲得しづらくなっています。
ERP システムを選択する際は、以下の質問事項をご検討ください。
半年から 1 年後にどのような状態を目指したいですか?
オペレーションは将来、どのように変化する可能性がありますか?
どのようなビジネス上の課題を解決する必要がありますか?
ビジネス上の課題の解決に対してテクノロジーファーストのアプローチを取れますか?
現在の戦略、オペレーション、およびテクノロジーが選択肢にどのように影響しますか?
会計部門に関しては、以下も検討することをおすすめします。
会計部門の貢献度をどのように高めたいですか?
現在、決算処理と連結処理のプロセスはどれほど複雑で時間を要していますか?
レポーティングと分析に比べ、データの集計と照合調整にどれほどの時間を費やしていますか?
数字の信頼性を確保するために、何をする必要がありますか?分析と意思決定を行うためにデータの再構成が必要ですか?
差異を解消するために、会計担当とファイナンシャルプランニング&アナリシス (FP&A) 担当の連携が必要ですか?
「適切なテクノロジー プラットフォームを基盤にすることが重要です。このような基盤がなければ、課題に直面することになります」
—エグゼクティブ バイス プレジデント兼 CFO、John Diez 氏
ERP の再考
最適な ERP システムの選択
クラウド システムの真価を実現するためには、単にアーキテクチャをクラウドに移行するだけでは不十分です。クラウドベースの ERP は運用コストの低減に役立つかもしれませんが、アーキテクチャが断片的であったり包括的なデータが不足したりしていると、アジリティの確保はほぼ不可能です。 言うまでもなく、デプロイメントの遅れや度重なるメンテナンスによって時間も失われます。必要なのは、変化に適応できるスピードでインサイトを提供してくれるシステムです。
Workday エンタープライズ マネジメント クラウドをご紹介します。インメモリのオブジェクト アーキテクチャをベースに最初からクラウドで構築されており、クラス最高の財務および人事アプリケーションと適応性の高いテクノロジー基盤を提供します。これにより、外部の業務データと Workday の財務および人事データを統合データ モデルを使用して単一のシステム内で簡単に統合することができるため、よりスピーディかつスマートな意思決定を行えます。さらに、プロセスとフレームワークが柔軟なため、変更が必要な際にも財務部門のユーザーが IT 部門の手を借りずに簡単に実施することができます。変化の激しい今日の環境で競合企業の先を行くうえでは、これは欠かせません。
Workday エンタープライズ マネジメント クラウド
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途切れることのないイノベーション
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インテリジェントな会計
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設定可能なビジネスプロセス
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オープンで適応性の高いアーキテクチャ
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統合データ モデル
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スケジュールどおりのデプロイメント
ERP
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変更に IT 部門のサポートが必要で高いコストがかかる
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決算処理が煩雑で時間を要する
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データ管理が複雑である
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照合調整に膨大な時間を要する
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リアルタイムのレポーティングが困難である
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分析とアクションに時間がかかる
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デプロイメントにコストと時間がかかる
Workday のメリット
Workday と従来のファイナンシャル ERP の違い
エンタープライズ マネジメント クラウドを選択することで手に入るのは、レガシー アーキテクチャを単にクラウドに移植したものではなく、ビジネスに向けたクラウドネイティブのシステムです。これによって、より高いアジリティ、意思決定のためのインサイト、優秀な財務人財を惹きつけるためのツールを獲得し、コンプライアンスを確保することができます。Workday ならではの特長について詳しく見ていきましょう。
業務の効率化による効果の向上
レガシー ERP システムを使用していてビジネスプロセスの柔軟性が低いと、組織の動きが遅くなり、変化に適応しづらくなる可能性があります。さらに、決算処理、連結処理、トランザクションの記録に複数のシステムを使用している場合、システム間でデータ移動が必要になり、照合調整などの手間が増えてしまいます。
財務プロセスをもっと効率化し、財務部門の生産性を高めることができたらどうでしょうか。Workday がこれを実現します。
主なメリット:
新しい要件に簡単に適応
会計入力、内部取引の相殺消去、通貨の換算を自動で実施
戦略的な収益予測に対応できる、効率的で迅速な決算処理
組み込み型の機械学習でビジネスプロセスをインテリジェントに自動化し、異常を継続的に検出して修正作業を提案
分析とアクションに専念する時間が増える
Workday は、財務ビジネスプロセス間の摩擦を軽減することで、決算処理を効率化します。
Workday では、システム間でデータを移動して照合調整を行うのではなく、機械学習を基に、トランザクションのキャプチャ、詳細のスキャン、チーム メンバー内でのトランザクションのルーティングと残高処理、適切な会計処理の提案、異常の検出を実施します。 その際、トランザクションの詳細情報は抜け落ちることなく、必要に応じて参照可能です。
トランザクションを行うと、Workday で会計入力、内部取引の相殺消去、通貨の換算が自動で行われるため、多国籍企業は世界中で事業を行いやすくなります。同じシステム オブ レコード内で、会計ルールのエンジンを使用して業務に関するデータセットから会計入力を行うことも可能です。
これらのプロセスは継続的に実行されるため、財務部門はレポーティングとプランニングに必要なリアルタイム インサイトを獲得することができます。そのうえ、手動でのデータ入力が不要になることで、分析に費やす時間を増やし、ビジネスのスピードに合わせて業務を行い、重要業績評価指標 (KPI) や、仕入債務回転日数 (DPO)、売掛金回転日数 (DSO) などの重要な指標を測定することも可能になります。
ビジネス オペレーションを保護
経理責任者は、業務上のリスクから企業を守らなければなりません。ところが、つぎはぎで作られたソリューションを使用していて変更の追跡と記録が必ずしも行われない場合は、これが困難です。一方、Workday には整合性機能と統制機能が組み込まれており、常時監査機能によって変更を継続的に記録します。これにより、経理責任者は疑いの余地のない電子的な証拠を監査委員会に提出し、変更された箇所と理由を正確に示すことができます。
主なメリット:
サーベンス オクスリー法 (SOX 法) の制定後に開発
常時監査によって、監査委員会に向けた疑いの余地のない電子的な証拠を用意
変更された箇所と理由を継続的に記録
変更はいつでも生じうるため、常に監督しておく必要があります。これが、誰がいつ何を変更したかを含め、Workday が広範にわたり継続的に変更を記録する理由です。企業を業務上のリスクから守るだけでなく、オペレーションの健全性を証明する点でも有効です。
コンポーザビリティが成功の鍵
Gartner 社* によれば、「最高財務責任者 (CFO) が財務のアジリティを高めるには、コンポーザブルなテクノロジー戦略を採用し、テクノロジー ポートフォリオをモジュール化して柔軟性を高め、ビジネスニーズに適応できるようにする必要がある」そうです。1 Workday は、コンポーザビリティが変化に先手を打つための鍵を握ると考えています。
60%
2024 年までに、新たなテクノロジー投資としてコンポーザブルな財務アプリケーションを検討する予定の財務部門の割合**
30%
2024 年までにコンポーザブルなテクノロジー戦略を採用した組織で見込まれる収益の増加率**
1.『コンポーザブルな財務テクノロジー戦略の展開によってアジリティを推進する』、Nisha Bhandare、2022 年 9 月 14 日
*『CFO が ERP 改革の成功を推進させる方法』、Nisha Bandare、2022 年 7 月 5 日
**『コンポーザブルな財務テクノロジー戦略の展開によってアジリティを推進する』、Nisha Bandare、2022 年 9 月 14 日
アジリティを持って財務を推進
環境が急速に変化する中、企業は混乱を最小限に抑えながら適応していかなければなりません。ただし、適切なテクノロジーがなければ、変化への対応には時間がかかって事後対応となり、もちろん高いコストも発生してしまいます。財務部門にとってこれは、後れをとるということを意味します。絶えず変化する市場と顧客の要求を把握して対応することは毎日行うべき作業であり、これには新しい働き方と新しい財務ビジネス モデルが必要になります。
主なメリット:
適応性が極めて高いクラウドベースのシステムによってリスクを軽減
財務ビジネスプロセスを簡単にアップデート
ユーザーが変更を設定できるため、IT 部門はイノベーションに注力可能
Workday では、アーキテクチャの適応性が高いため、必要に応じてすばやく簡単にプロセスを対応させることができます。変化するビジネスニーズに合わせて財務プロセスを設定できるため、たとえば M&A や拡張にも、IT 部門の手を借りることなく適応可能です。しかも、レポートとデータに個別に変更を適用する必要はありません。ワークフローに加えた変更がレポートにすぐ反映されるからです。ユーザーは、唯一の正しい情報源を基に、企業の最も新しく包括的な全体像を把握することができます。
ご存知でしたか?
54% の CFO が、自社のレガシー ERP システムに今日のビジネス環境のニーズに対応するための十分な柔軟性がないことを認めています。
データドリブンの意思決定をスピーディに実現
優れたデータは、ビジネスの成果を推進します。ただし、大量の業務データを抱える複数のソースを財務情報および人事情報と統合する作業は、複雑で時間がかかる場合があります。データをアクセス可能なインサイトに変換するデータ管理戦略がなければ、企業を導く重要な意思決定を行うことができません。
経理責任者は、あらゆる意思決定をサポートできるように、財務、業務、人事データを可視化する必要があります。たとえば、採算性、パフォーマンス、従業員の士気、人員構成に関するインサイトの獲得や、環境、社会、ガバナンス (ESG) イニシアチブの進捗の測定と把握が欠かせません。
サイロ型システムでは、データ管理は効率の低いものになり、インサイトの獲得とアクションに遅れが生じます。これは財務部門にとって、採算性の面だけでなく、自社に最大の利益をもたらす意思決定を行う際にも障壁となります。
主なメリット:
実績に関するリアルタイム インサイト
詳細な分析を可能にする、コンテキストとディメンションを含むトランザクション
戦略的パートナーシップをサポートする、貸借対照表および採算性に関するガイダンス
業務データのパイプラインの可視性と監督の強化
会計および FP&A のための唯一の正しい情報源
各チームのニーズに応じたロール ベースのインサイト
Workday のソリューションは、人事と財務を管理するアナリティクス基盤です。業務データと環境、社会、ガバナンス (ESG) データを組み合わせ、採算性の詳細な把握、変化する状況の予測、迅速な対応、確かな情報に基づく一貫性のある意思決定を行うことができます。
Workday では、大量の社内データとサードパーティ データを取り込んで統合することで、組織の全体像についていっそう高度なインサイトを得られます。Fannie Mae のシニア テクノロジー ディレクターは次のように語ります。「単にデータを持っているかという話ではありません。重要なことは、データをどのように活用するか、そのデータにどれだけ簡単にアクセスして業務に役立てられるかということです。貸借対照表への記帳は毎月 5 億件に達しており、残高処理は 10 億件を超えます。当社では、こうした大量の処理を毎月決算日までに実行し、そのデータを企業のお客様に極めて迅速に公開できています」
さらに、統合データソースによってあらゆるエラーの検出と修正が容易になるため、データの照合調整にかかっていた時間を削減できます。経理責任者は、より体系的で規律のある意思決定を行うため、データの収集、整理、分析、およびガバナンスを監督する役割を担います。Workday では、高度な分析に役立つ、実績に関するリアルタイム インサイトとトランザクションの詳細が提供されます。経理責任者は業務データのパイプラインを管理することができるようになり、大量のデータが総勘定元帳 (GL) に取り込まれ、記帳される際に追跡と監視が行えるようになります。エラーを検出したらソース データにドリルダウンして調査し、差異を容易に解消することが可能です。
使いやすいテクノロジーで優秀な財務人財を惹きつける
財務部門では、適応性の高い ERP システムが重要だという認識が広がりつつあります。 同じく重要なのが、こうしたシステムを活用する適切なチームの確保です。必要な財務スキルは、ビジネスニーズの変化と同様に進化しています。組織の進化を促すには、既存のワークフォースのスキルの向上を図るだけでなく、テクノロジーに精通し、分析スキルとビジネスを見通す鋭い目を持った候補者を惹きつけることが欠かせません。
主なメリット:
革新的なテクノロジーで生産性と戦略的分析を促進
ツールによって、アナリティクスに基づく会計文化を推進
継続的なイノベーションで、会計業務を迅速かつスマートに
効率化により、将来のヘッドカウント ニーズを低減
優秀な財務人財の獲得競争が激しさを増す中、直感的で使いやすいテクノロジーを提供することで他社に差をつけることができます。会計士をはじめとする財務部門の候補者は、勤務場所を問わずに戦略的パートナーとして貢献することを望んでおり、そのためには適切なツールが欠かせません。クラウド テクノロジーでは、財務人財がアナリストとしての役割を果たすために必要なデータおよび分析機能を活用できるため (セキュリティは一貫して維持)、レポートの作成とインサイトの発掘が可能になります。その結果、財務リテラシーおよび説明責任を全社規模で改善することができます。
Workday エンタープライズ マネジメント クラウドは、直感的かつ革新的なテクノロジーです。 自動化によって財務プロセスを大幅に合理化することで、会計部門はリソースを解放し、分析に費やす時間を増やすことができるため、仕事の満足度と定着率が向上します。
ご存知でしたか?
CFO の 48% が、財務部門の社員が業務で使用する製品に対して積極的に投資し、将来の財務部門にとって魅力的なコンシューマー製品レベルのインターフェイスを実現することを目指しています。
Workday ファイナンシャル マネジメント (財務管理) が次世代の財務プロフェッショナルを惹きつけている理由をご紹介します。
自然言語での検索が可能な使いやすいインターフェイス
IT リソースの手を借りずに設定可能なビジネスプロセス
バッチ処理が行われず、リアルタイムで使用可能なデータ
モバイルとタブレットに対応したダッシュボード設計
Workday Assistant のチャット機能
組み込み型の機械学習 (ML) による異常検出と提案
Workday の合理化されたプロセスと使いやすいソリューションを活用することで、効率的で迅速な決算処理が実現します。Aon 社のアジア担当 CFO は次のように語ります。「10 ~ 15 種類のシステムで決算処理を行うことが、大きな課題となっていました。Workday では、単一のプラットフォームを収益ポートフォリオの大部分で使用できるため、非常に助かっています」
「当社は価値の実現と創造を理念としており、そのためには古い方法から脱却しなくてはなりません。私のいる財務部門では、状況をただ傍観するのではなく、積極的な取り組みを行っています」
—最高会計責任者兼コーポレート コントローラー (経理責任者)
ビジネスの継続的な成功へと導く
財務部門は、変化する世界で組織の成功を支えるという重要な位置付けにあります。その役割を、Workday エンタープライズ マネジメント クラウドがサポートします。組織は変化に絶えず先手を打ちながら、財務部門のアジリティと分析力を高めることが可能です。