がんや脳障害治療のパイオニアである Elekta 社は、放射線治療向けのツールやシステムの開発を手掛けています。同社はこの分野のイノベーション リーダーとしてグローバルに急成長していますが、人事システムについては新たなアプローチを必要としていました。
28 か国に 3,600 人の社員を擁する Elekta 社は、社員データを統合し、単一データソースを構築し、人財管理プロセスをグローバルに統一する人事ソリューションを求めていました。Elekta 社が注目したのは Workday でした。
20 あった個別システムを 1 つのシステムに統合
多くの企業と同様、多数の人事システムを抱えていた Elekta 社は、社員のヘッドカウント管理などの単純なタスクを実行することも困難な状況にありました。グローバル人事管理アプリケーション マネージャの Raymond L’homme 氏は、「社員数といった非常に基本的な情報でさえ、確認するのが難しいような状態でした」と言います。「人事に対応する単一のシステム オブ レコードが確保されていなかったため、Excel スプレッドシートを使用していました。ヘッドカウントを確認する場合は、情報を収集して集計しなければなりませんでした。この作業には 1 週間近くかかるため、完了したときにはすでにデータが古くなっていました。臨時従業員、パートタイム従業員、病気休暇中の従業員はヘッドカウントから除外されていました。ルールも一貫していませんでした」
新しい人事システムを導入する際、Elekta 社のチームはいくつかの主要基準を重視しました。具体的には、すべての国から安全にアクセスできるクラウドベース ツールであること、Elekta 社のビジネスプロセスに対応すること、リアルタイム レポートを提供して的確な意思決定をサポートすることです。「当社の革新的な文化に Workday は適合すると判断しました」と L'homme 氏は述べています。
Elekta 社は 20 以上あった個別システムを Workday で置き換えました。「最も大きなメリットは、システムが 1 つに統合されたことです。これは、グローバル マネージャにとって、非常に重要です。現在は全社で同じプロセス、同じユーザー インターフェイスを使用しています。たとえば給与を改定する場合も、中国とスウェーデンでプロセスは変わりません。エグゼクティブのサポートにより、人事部門、IT 部門、財務部門は、Workday を唯一の正しい情報源として活用することに同意しました」
成長と拡大
L'homme 氏は次のように述べています。「当社はさまざまなプロセスをグローバルに実行する多国籍企業へと成長しました。あらゆるサービスを連携させる必要があるため、規模を拡大することで多くの課題に直面します。各国が連携し、地域組織がこれらの国の情報を抽出・活用して状況をグローバルに把握できるようになれば、大きなメリットを生み出すことができます」
「当社のマネージャは、社員の退職理由、退職した社員のプロファイル、離職のトレンドなど、離職に関する情報を取得しています。そうすることで、人財管理や社員の定着率に対する当社の考え方を改善することができます」
シームレスに進化する Workday
報酬管理および福利厚生担当バイス プレジデントを務める Filip Sjögren 氏も、L'homme 氏に同意します。「真のグローバル組織となるためには、地域間でデータを共有する必要があります。それができなければ、人事部門の有効性や効率性を確保することはできません」と Filip Sjögren 氏は述べています。
また、Elekta 社はここ 10 年間で有機的成長や買収を通じて規模を拡大してきたため、新入社員が同社の文化に初日から馴染めるように環境を整備する人事部門は、多くの課題に直面していました。「買収により別々の組織を一つにするということは、ビジネスプロセスを統合し、新たに仲間入りした社員に帰属意識や Elekta ファミリーの一員であるという気持ちを持ってもらうことを意味します。Workday により、迅速かつ円滑に移行を進めることができます。買収後には何より価値のあることです」と Sjögren 氏は述べています。
人事システムをクラウドに移行するという意思決定は、Elekta 社に多大な利点をもたらしています。Workday は SaaS (software-as-a-service) テクノロジーを活用しているため、アップデートが定期的に提供されます。そのため、アップグレードに高額なコストを費やし、オンプレミス ソフトウェア システムに負担をかける必要はありません。Sjögren 氏は次のように述べています。「クラウドベースの人事システムは、人事部門と IT 部門にメリットをもたらしています。最新ツールを入手するため、Workday の新バージョンのリリースを待って購入を行う必要はありません。つまり新しいソフトウェアを購入するためにビジネス ケースを作成する必要がないということです。Workday は Elekta の継続的な成長に合わせてシームレスに進化します」
確実な成果
Workday に投資した Elekta 社は速やかに ROI を高め、およそ 12 か月間でコストを回収しました。「投資の元はすでに取れています。初期投資とライセンス料の両面においてです」と L’homme 氏は述べています。
人事部門が情報を提供
L'homme 氏は次のように述べています。「エグゼクティブ マネジメントは、Workday のデータに基づいて組織戦略の方針を決定し、データドリブンな意思決定を行っています。たとえば、後継者育成プランニングをさらに実施する必要があるかどうか、人財管理を改善できるかどうかを判断しています。Workday はより多くのインサイトを提供することにより、マネージャが意思決定を的確に行い、先を見越してプランニングを行えるようにします。そのため、マネージャは特定のトレンドを理解し、そのトレンドがビジネスに与える影響を把握することができます。特定のトレンドが世界中で起こっているのか、何らかの対応を行うべきかどうかなどです」
Workday の導入により、Elekta 社のグローバル人事部門は作業時間の短縮にも成功しました。そのため 40 人のメンバーはより効果的・戦略的な業務を担うようになりました。チームは現在、Elekta 社の社員の年次評価プロセスや報酬変更プロセスをすばやく効率的に行えるよう改善することに注力しています。「これまでは情報を最期に受け取るのは人事部門と決まっていました。現在はエグゼクティブ マネジメントが私たちに質問をします。人事部門が情報を提供しているのです」と L’homme氏は述べています。
Sjögren 氏は次のように述べています。「Workday に投資したことで、当社の未来は確実に明るいものになりました。信頼できるデータがなければ、的確な意思決定を行うことはできません。私たちは現在、マネジメント チームが自信を持って前進するために必要なガイダンスを提供しています。そして彼らは私たちを信頼しています」